「ナッティー」と感じたとき、すぐに樽や原料を当てようとすると記録が曖昧になります。最初は種類、加工、油分、甘さ、余韻の五つへ分け、知覚した内容と製品情報を別々に残します。
ナッツ香は原材料名ではなく知覚の表現
テイスティングノートでは、実際にその食品が入っていなくても、身近な香りや味を使って印象を共有します。「アーモンド」と書かれていても、ナッツの添加を意味するとは限りません。原材料とアレルゲンは、ラベルとメーカーの現行情報で確認します。
SWAのテイスティング資料は、ナッツを含む複数の香味語を、香りを言葉にする手掛かりとして扱っています。公式ノートと自分の記録が違っても、誤りとは限りません。
5欄に分けて一語ずつ選ぶ
| 欄 | 選択例 | 区別の手掛かり |
|---|---|---|
| 種類 | アーモンド/くるみ/ヘーゼルナッツ | 最も近い一語 |
| 加工 | 生/乾燥/ロースト | 加熱感や焦げ |
| 油分 | 軽い/中/厚い | 口当たりと混同しない |
| 甘さ | なし/マジパン/プラリネ | 砂糖やバニラの連想 |
| 余韻 | 短い/中/長い | 飲んだ後に残る時間 |
アーモンド、くるみ、マジパンを分ける
| 言葉 | 主な連想 | 一緒に記録する項目 |
|---|---|---|
| アーモンド | 軽い核果、乾いたナッツ | 生/ロースト、甘さ |
| くるみ | 厚み、皮の渋さ、油分 | 渋み、余韻 |
| ヘーゼルナッツ | 丸い香ばしさ | ロースト、クリーム感 |
| マジパン | アーモンド+砂糖のような甘香 | 甘さ、バニラ |
| プラリネ | ナッツ+キャラメルやチョコレート | 焦がし糖、カカオ |
参照香は安全を優先する
実物を参照する場合は別容器へ入れ、ウイスキーから離して香ります。食品をグラスへ入れません。ナッツアレルギーがある人や同席者がいる場合は実物を使いません。
- 最初は「ナッツ系か」だけ決める
- 種類と加工を一語ずつ選ぶ
- 口に含んだ場合だけ油分と余韻を記録する
- 常温水を数滴加え、同じ五欄を再記録する
- 最後に公式ノートと樽情報を確認する
香りと樽情報を別の列にする
シェリー樽熟成の商品で公式ノートにナッツ表現が記載される例はあります。しかし同じ言葉は複数の条件で現れ得るため、「ナッツ香があるからシェリー樽」とは断定しません。
香り全体はフレーバーホイール、樽情報はシェリー樽の違いと分けます。食品との相性はナッツとのペアリングを利用してください。
近い香りを切り分ける
木、渋み、油分、焼き菓子、チョコレートが重なりやすいため、鼻で感じた香りと口に含んだ後の味・口当たりを分けます。加水、温度、待ち時間は同時に変えず、一度に一条件だけ変えます。
まとめ
- ナッツ香は通常、添加物ではなく香味の比喩
- 種類、加工、油分、甘さ、余韻を分ける
- 実物の参照香はアレルギーに注意する
- 香りだけで熟成樽や原材料を断定しない