グラスを傾けたり回したりすると、内側に液の筋が現れます。英語のlegs、tearsに由来して「レッグ」「涙」と呼ばれますが、見た目だけでウイスキーの格付けはできません。
液膜が筋になる現象
アルコールと水は蒸発のしやすさが異なり、液膜の場所によって濃度と表面張力に差ができます。液が引き上げられる流れと重力が釣り合わなくなると、筋や滴として下がります。物理研究では、この表面張力差によるマランゴニ流と重力の関係が説明されています。
砂糖が多いから、長期熟成だから、油分が多いからと一要因へ固定せず、観察条件を分ける必要があります。
5条件で見え方が変わる
| 条件 | 確認する理由 | そろえ方 |
|---|---|---|
| 度数 | アルコールと水の比率が違う | ラベル値を記録 |
| 温度 | 蒸発と流れ方に影響する | 同じ室温で比べる |
| 糖・抽出物 | 粘度などへ関わる場合がある | 筋だけから成分を断定しない |
| グラス状態 | 油膜や洗剤残りが液膜を変える | 同じ方法で洗浄 |
| 待ち時間 | 形成途中と流下後で違う | 同じ秒数で観察 |
品質や年数は判断できない
レッグの数、太さ、流れる速さは、品質点数や熟成年数へ一対一で対応しません。色も同様に、樽、熟成環境、色調整など複数要因で変わります。外観は情報の一部として観察し、品質判断は香り、味、余韻、欠点の有無を含めて行います。
外観の読み方はウイスキーの色、飲んだ質感はウイスキーの口当たりで分けて確認できます。
比較するときの手順
- 同じ形で清潔なグラスを用意する
- 同じ液量と温度へそろえる
- 度数を記録する
- 同じ回数だけ静かに回す
- 同じ時間待って筋を観察する
- 筋を品質点ではなく補助メモとして残す
度数表示の読み方はウイスキーのアルコール度数を参照してください。
まとめ
- レッグはグラス内壁の液膜が作る筋
- 表面張力差、蒸発、重力が関わる
- 度数以外の条件でも見え方が変わる
- 品質や熟成年数を直接判定できない
- 比較では条件と待ち時間をそろえる