ニッカの「ピュアモルトBlack」と「ピュアモルトRed」は、どちらも蒸溜所限定品として扱われる43%・500mlのピュアモルトです。見た目はよく似ていますが、Blackは余市モルト、Redは宮城峡モルトを軸にした設計で、実際に飲むと方向が異なりました。
先に結論を言うと、モルトの厚み、スモーキーさ、ほろ苦い余韻ならBlack、果実の甘さ、柔らかさ、軽快な飲みやすさならRedが選びやすいです。Air Design編集部は両方を蒸溜所で飲み、その後に購入した所有ボトルでも確認しました。より好みだったのはBlackで、Blackはロック、Redはハイボールが特に合うと感じました。

BlackとRedの違いを先に比較
| 比較項目 | Pure Malt Black | Pure Malt Red |
|---|---|---|
| 公式上の軸 | 余市モルトをベース | 宮城峡モルトをベース |
| 度数・容量 | 43%・500ml | 43%・500ml |
| 実飲の中心 | モルト、スモーク、ほろ苦さ | 果実の甘さ、柔らかさ |
| 口当たり | 厚みがあり力強い | 柔らかく軽快 |
| 編集部の好み | 1位 | 2位 |
| 好みの飲み方 | ロック | ハイボール |
2本とも原材料表示はモルトのみです。シングルモルトとは異なり、複数蒸溜所のモルト原酒を組み合わせられるピュアモルトですが、旧公式メニューはBlackを余市モルトベース、Redを宮城峡モルトベースと説明しています。現在の公式メニューでも2本は蒸溜所限定品として掲載されています。
Pure Malt Blackを実飲


厚み、スモーキーさ、ほろ苦さが残る
Blackは、Redよりモルトの厚みがあり、煙を思わせる香りとほろ苦さを感じました。強烈なピートだけが前に出るタイプではありませんが、飲み込んだ後に香ばしさと苦味が残るため、柔らかさより飲みごたえを求める人に向きます。
編集部はBlackの方を好みました。ロックにすると、氷が溶けるにつれて最初の力強さが少し丸くなり、モルトの甘さとほろ苦さの変化を追いやすくなります。冷やしすぎると香りは弱くなるため、大きめの氷を1個使い、長くかき混ぜすぎない飲み方が合いました。基本手順はロックの作り方で整理しています。
Pure Malt Redを実飲


果実の甘さと柔らかさが分かりやすい
Redは、Blackより明るい果実を思わせる甘さが前に出て、口当たりも柔らかく感じました。スモーキーさやほろ苦さは控えめで、43%でも力強さより軽快さが印象に残ります。公式資料の「宮城峡モルトをベース」「柔らかな風味」という説明と、編集部の実飲は近い方向でした。
編集部の好みはハイボールです。よく冷やした無糖炭酸水で割ると、果実を思わせる甘い香りと軽さが残り、食事中にも飲み進めやすくなりました。最初はウイスキー30mlに炭酸水90ml程度から試し、薄く感じる場合だけ炭酸水を減らします。作り方はハイボールの基本も参考になります。
同じ条件で比べた実飲評価
| 評価軸 | Black | Red |
|---|---|---|
| 果実感 | 背景に感じる | 明るく分かりやすい |
| モルトの厚み | 強い | 穏やか |
| スモーキーさ | Redより強い | 控えめ |
| ほろ苦さ | 余韻に残る | 軽い |
| 飲みやすさ | 飲みごたえ重視 | 柔らかく軽快 |
| 向く人 | 余市系の力強さが好き | 宮城峡系の華やかさが好き |
「Blackは上位、Redは下位」という関係ではありません。2本は同じ度数と容量でも、中心に置く香味が異なります。Blackのほろ苦さを強いと感じる人にはRed、Redを軽いと感じる人にはBlackの方が満足しやすいです。
蒸溜所での購入時に知っておきたいこと
編集部は余市蒸溜所で両方を飲み、購入しました。所有ボトルの背面には「蒸溜所限定商品」と表示され、2026年3月版の余市蒸溜所公式メニューにも蒸溜所限定販売の3種の一部として掲載されています。
ただし、訪問すれば必ず買えるとは限りません。公式FAQは、限定商品は製造数量に限りがあり、入荷時期も不定期で、品切れの場合があると案内しています。電話で入荷状況の案内も行っていません。購入だけを目的に遠方から訪れる場合も、在庫を前提に予定を組まない方が安全です。見学条件は余市蒸溜所の解説で確認できます。
BlackとRedの選び方
- モルトの厚みを重視する:Black
- スモーキーさとほろ苦さを楽しむ:Black
- ロックで変化を追う:Black
- 果実の甘さと柔らかさを重視する:Red
- 強い苦味を避けて飲みやすさを選ぶ:Red
- ハイボールで軽快に飲む:Red
初めて飲む人へ一方だけを勧めるなら、柔らかさが分かりやすいRedです。ただし、普段から余市やスモーキーなウイスキーを好む人にはBlackの方が魅力を感じやすいでしょう。ニッカの定番3本との違いは宮城峡・竹鶴・ザ・ニッカの実飲比較も参考になります。
まとめ
- BlackとRedは43%・500mlのピュアモルトで、所有ボトルには蒸溜所限定商品と表示されている
- Blackは余市モルトを軸にし、実飲では厚み、スモーキーさ、ほろ苦さが目立った
- Redは宮城峡モルトを軸にし、実飲では果実の甘さ、柔らかさ、軽快さが目立った
- 編集部の好みはBlackで、Blackはロック、Redはハイボールが特に合った
- 初心者にはRed、力強さを求める人にはBlackが選びやすい
- 限定品の在庫は不定期で、訪問時に必ず購入できるとは限らない
2本はラベル色だけを変えた商品ではありません。余市と宮城峡という異なるモルトの方向を、同じ度数・容量で比べられる点に価値があります。順位だけで決めず、厚みとほろ苦さ、果実感と柔らかさのどちらを飲みたいかで選ぶと違いを楽しみやすくなります。