蒸溜器から出る液体のすべてが、そのまま樽へ入るわけではありません。再溜液を時間順に分け、中心部分を選ぶ操作がカットです。
英語と日本語の対応、どこへ回すかを整理します。
再溜液を三つに分ける
| 順番 | 日本語 | 英語 | 主な扱い |
|---|---|---|---|
| 最初 | 前溜 | Head / Foreshots | 本溜から分け、再蒸溜へ |
| 中間 | 本溜 | Heart / Middle cut | ニューポットとして熟成へ |
| 最後 | 後溜 | Tail / Feints | 本溜から分け、再蒸溜へ |
蒸溜器自体の違いは単式・連続式蒸溜機で確認できます。
ハートだけを熟成へ回す
サントリーは、二回目の再溜で中間に当たる本溜だけを樽熟成へ回し、前溜と後溜は次の初溜液に加えて再溜すると説明しています。
白州の公式記事では本溜で得るアルコール分70〜72%の蒸溜液をニューポットとする例が示されています。数値は蒸溜所ごとに同じとは限りません。
切り替え位置が原酒を形づくる
どこからどこまでをハートとして受けるかにより、樽へ入る香気成分の構成が変わります。固定時間を覚えるより、蒸溜所が目指す原酒に合わせて判断する操作と理解します。
その前段階の香味づくりは発酵と酵母、一つの樽から瓶詰めする考え方はシングルカスクへつながります。
表示からはカット位置を断定できない
- 公式の製法説明を確認する
- 初溜と再溜を分ける
- ヘッド・ハート・テールの扱いを見る
- 蒸溜器と加熱方式も合わせて読む
- 樽熟成後の香味と混同しない
樽へ入った後の変化はチャーとトースト、蒸溜所の具体例は白州蒸溜所が参考になります。
留出液を観察しながらカットを管理する装置は、スピリットセーフの役割で解説しています。
まとめ
- カットは再溜液を区間に分ける操作
- 前溜はヘッド、本溜はハート、後溜はテール
- 一般にハートを樽熟成へ回す
- 前溜と後溜は再蒸溜へ戻す
- 切り替え位置は蒸溜所の設計で異なる