ウイスキーの「スパイシー」は、唐辛子のような辛さだけを指す言葉ではありません。胡椒、シナモン、クローブ、生姜を思わせる香り、舌の刺激、喉へ続く熱さなどが一語にまとめられることがあります。
何を感じたか分からないときは、香り、舌、アルコール、余韻の4か所へ分けます。スパイス名が書かれていても、実際に原材料として加えたという意味ではありません。
4種類のスパイシーさを分ける
| 確認場所 | 表現の例 | 見分ける問い |
|---|---|---|
| 鼻 | シナモン、クローブ、生姜 | 飲む前から分かるか |
| 舌 | 胡椒、ピリッとする | 舌先や側面に刺激があるか |
| 口中・喉 | 温かい、熱い、刺す | 度数由来の刺激と重なるか |
| 余韻 | 乾く、胡椒が残る | 飲み込んだ後も続くか |
スパイスの連想語を広げる
- 胡椒:鋭い、乾く、舌先の刺激
- シナモン:甘い香り、木、温かさ
- クローブ:濃い香り、木質、薬香の連想
- 生姜:明るい刺激、温かさ、柑橘とのつながり
- ナツメグ:甘く乾いた香り、木や焼き菓子の連想
サントリーの碧Aoはクローブやシナモンのようなスパイシーさ、スモーキーモルトの解説はハーブ、生姜、胡椒、シナモンなどを例示しています。メーカーの言葉は語彙の例であり、別銘柄へそのまま当てはめるものではありません。
香りと刺激を加水で比べる
- 15ml程度を常温で用意する
- 飲む前の香りを一語で記録する
- 小さく含み、舌と喉の刺激を分ける
- 水を2〜3滴加える
- 香りと刺激の増減を同じ欄へ書く
加水の手順はウイスキーへ水を加える方法、香りの取り方はノージングの4段階で確認できます。
単独要因で断定しない
樽はバニラ、木、スパイスを思わせる香りに関わりますが、完成品の香味は原料、発酵、蒸溜、熟成、ブレンドが重なった結果です。「スパイシーだからライ麦」「シナモンだから特定の樽」と一語だけで製法を断定しません。
樽の影響はウイスキー樽の種類、原料の違いは穀物の種類が参考になります。
記録は位置・強さ・変化
鼻:甘いスパイス2
書き方を示す架空例であり、特定銘柄の実飲結果ではありません。
舌先:胡椒のような刺激1
喉:熱さ2
加水3滴後:鼻2、舌先0、喉1
他の香りと合わせて記録するときはフレーバーホイール、質感は口当たりの4軸へ分けます。
まとめ
- スパイシーは一つの辛味ではない
- 鼻、舌、喉、余韻へ分ける
- スパイス名は香りの連想である場合が多い
- 加水前後で香りと刺激を比べる
- 一語だけで原料や樽を断定しない