STR樽を理解するときは、「三文字の意味」と「その商品で使われた樽の条件」を分けます。略語が同じでも、元樽、樽材、サイズ、加熱条件、熟成期間が同じとは限りません。
STRは三つの処理を示す
| 工程 | 英語 | 説明 | 資料で確認すること |
|---|---|---|---|
| S | Shaved | 樽の内面を削る | 削る深さの記載 |
| T | Toasted | 内面を加熱する | 時間・温度の記載 |
| R | Re-charred | 表面を再び強く焦がす | チャー条件の記載 |
Cotswolds Distilleryは、STRを使い終えたワイン樽の内面を削り、トーストし、再チャーする工程として説明しています。具体的な数値が書かれていない場合は、推測で補いません。
元樽と処理後の使い方を別に確認する
同蒸留所のFounder’s Choiceでは、Jim Swan博士が設計したSTRのex-red-wine barriquesが説明されています。これは公式な採用例ですが、「STR=必ず赤ワイン樽」という規格を示すものではありません。
| 確認項目 | 分かること | 不明時の書き方 |
|---|---|---|
| 元の内容物 | 赤ワインなどの前歴 | 公式記載なし |
| 樽材 | オーク種など | 推定しない |
| 樽サイズ | barrique等 | 名称がなければ空欄 |
| 三工程 | STR処理の有無 | 条件不明とする |
| 熟成での位置 | 全熟成か追加熟成か | 商品説明に従う |
| 公式香味 | メーカーの表現 | 自分の試飲感想と分ける |
通常の再利用樽と同一視しない
リフィルは、同種のスピリッツ熟成に何回使われたかを示す文脈で使われます。STRは内面へ三工程を施したことを表すため、確認軸が異なります。ファーストフィルとリフィルと照合し、同じ表へ混ぜないようにします。
トーストとチャーを分ける
トーストとチャーは、どちらも樽内面への加熱ですが、強さや処理目的を同じ言葉として扱いません。STRでは両方が工程名に含まれます。基礎はチャーとトーストの違いで確認できます。
商品説明は6項目で比較する
- 元樽の内容物
- 樽材
- 樽サイズ
- 削る・トースト・再チャーの説明
- 熟成全体のどこで使うか
- 公式の香味表現
ワイン樽全体の読み方はワイン樽熟成、樽材の違いはアメリカンオークとヨーロピアンオークが参考になります。
二商品の比較では不明欄を残す
| 比較欄 | 商品A | 商品B | 判断 |
|---|---|---|---|
| 元樽 | ex-red-wine | 記載なし | 同じとみなさない |
| サイズ | barrique | 記載なし | 容量を推定しない |
| STR工程 | 三工程の説明あり | STR表記のみ | 処理条件は比較不能 |
| 熟成での位置 | 全熟成 | 追加熟成 | 同列にしない |
| 香味 | 公式表現を記録 | 公式表現を記録 | 自分の感想と分ける |
空欄は調査不足を隠す場所ではなく、公式情報で確認できなかったことを示す欄です。「STRだから濃い」「赤い果実香になる」のように、処理名だけから香味を補完しないことが比較の精度を保ちます。
まとめ
- STRはShaved、Toasted、Re-charredの略
- 赤ワイン樽は公式採用例であり全商品共通とは限らない
- 元樽、樽材、サイズ、処理条件を分ける
- リフィル、トースト、チャーと同一視しない
- 香味をSTRの文字だけから断定しない